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貧打ドジャースが西地区を制す!

  • 2008/09/27(土) 20:00:21

打撃戦の末パドレスに5-7で敗れたものの、デーゲームで行われた対カージナルス戦にダイヤモンドバックスが3-12で敗れていた為、ドジャースはリーグ最低勝率でとは言えナ・リーグ西地区優勝を9月25日に決めたんですね。
左ひざの故障でプレイオフの出場が微妙な状況となっている今年40歳を迎えたジェフ・ケントは、2004年以来4年ぶりとなる地区制覇について「優勝が決まったのを見るに、やっぱりこれは特別なものなんだな、と。うちの若い連中は皆楽しんでいるよ。だって、ほとんどのヤツらにとって、初めて成し遂げたものなんだからね。そして勝利の味を噛み締めることがヤツらの経験に加わると同時に、勝つ為に何が必要なのかを示すことにもなるんだ」と話しています。まるで生徒の姿を目を細めて見る先生のようなこのケントのコメントこそ、今年のドジャースを象徴する空気だと言えるでしょう。
ケントは続けて「トーレ監督をはじめ誰の評判も落としたくは無いんだ。だけどこう言いたいんだよ、この勝利はチーム全員で成し遂げたものだ、って。トーレ監督の決定があって、若い連中、例えばシーズン初めに戦列を離れたノマー・ガルシアパーラの仕事をブレイク・デウィットが、シーズン終盤に故障したオレに代わってやっぱり若いヤツが、斉藤が投げられなくなればジョナサン・ブロクストンがそれぞれ引き継いで、トレードでケーシー・ブレイクとマニー・ラミレスがやってきて、チームにまた一つ前進する力を与えてくれて」と話していますが、これが今季のドジャースの全てを物語っています。故障者が出ても誰かがその穴を埋め大崩れを回避できた、ここがとにかく重要なポイントだったんですね。
しかし、話はそれだけでは終わりません。若手ばかりとなったチームを辛抱強くまとめあげていったトーレ監督の手腕がなければ、この結果は得られなかったわけですから。
そのトーレ監督も「我々は、このチームの誰がこれからプレイするのかはわかっていない。しかし、我々でプレイすることはわかっている。我々には自分達を縛る過去がないというアドバンテージがある。我々でポストシーズンを戦うことを皆がわかっている、これが最も重要なことなんだ」と全員で戦って地区優勝を果たし、これからもそのスタンスを崩さないことを明言しています。1996年の就任から昨年まで、実に12年にも渡ってヤンキースをポストシーズンに導き、そのうち4回もワールドチャンピオンを獲得した名将は、その実績をよく理解しているはずのヤンキースから1年契約での延長を提示されるという屈辱から、ピンストライプのユニフォームを脱ぐ決心をしたわけですが、コメントにあえて「過去がない」という一言を加えたあたりからも古巣を見返すことができたという心境がうかがえます。

トーレ監督は2年に渡ってチームを率いたグレイディ・リトルの後を受け、3年間、年俸総額1300万ドルという契約でドジャースへとやってきました。その最初のシーズンを振り返って「ニューヨークでは甘えていた。ここでは、若手に基礎を教えなければならなかった」と語っていますが、これは他球団からFAでやってきた中堅からベテランの選手ばかりの陣容だったヤンキースでは、選手個々が実力を発揮してくれれば結果はついてくる、という気持ちがあったことを暗に示しています。そこでの彼の仕事は、とどのつまりオーダーの決定と試合での采配に限られ、選手に対して手取り足取り教える必要がなかったばかりか、金も出すが口も出すスタインブレナー親子からの辛らつな言葉に耐えるというこのチームだからこその仕事の方が大きかったとも言えるでしょう。もちろんドジャースもラファエル・ファーカルやジェフ・ケント、アンドルー・ジョーンズといった移籍組がメインを張ってはいましたが、結局故障や不調から若手を起用せざるを得なくなり、それはすなわちシーズン中にチームを1から作り変えなければならなかったことを意味していたわけです。トーレ監督が人格者であることは松井も認めるところですが、それだけでは経験のない選手達を戦える集団にすることはできず、彼は打開策としてチームが一丸となることをベンチで呼びかけ続けることを選択するんですね。
それは、トレード期限の7月31日にレッドソックスからやってきたマニー・ラミレスに対しても同じでした。ラミレスは当代メジャーを代表するスラッガーですが、その一方で変わり者、気分屋、わがままという側面もあり、しかもシーズン中の移籍も西海岸を本拠地にすることも初めてだったという要素がどう作用するかがポイントと見られていたんですね。しかしトーレ監督は、そのラミレスでさえも叱り飛ばしてチームから浮くような所業を許さなかったわけです。これがラミレスの「移籍した時に考えていたのは、(プレイオフに出場することではなく)チームに溶け込むことだけだった。オレがハードなプレイをできる男だってことを見せてやろうってね。そうさ、襟を正すってヤツだったんだ」というコメントの源泉になり、そして誰であろうと特別視しないトーレ監督の姿勢を見て、他の選手達は更に結束を強めたわけですね。これはなかなかできない仕事だと言えます。

とにかく7月末までのドジャース打線は貧打という言葉を象徴するような状況でした。現時点でもチーム本塁打のトップはアンドレ・イーシアーの20本で、これにマット・ケンプの18本が続くという状況です。打点に至ってはジェームス・ロニーの89が最高で、どうやら100打点プレイヤーは出そうにない雰囲気になっています。この全くもって長打が期待できないラインナップの中で、ラミレスは狂い咲きとも言える活躍を見せます。たった51試合の出場でチーム3位となる17本塁打を放ち、試合数を超える53打点をマーク、打率に至っては.393というとんでもない数字を残してしまい、故障から復帰した斉藤に「たった一人の打者でチームが変わることもあるんだと衝撃を受けた。野球に対する考え方が変わった」とまで言わしめたわけです。もちろんここには今季で契約が切れる彼が、オフにFAとなった時によりよい条件で契約先を見つけたいという打算的な側面がハッスルにつながったという見方もできます。が、黙っていても自分の評価が1500万ドルは下らないであろうということから「改めてエンジンを回す必要ある?」的思考になってもおかしくない空気の中でここまで好調を維持できた背景には、やはりトーレ監督が彼をうまく操縦したという点があったと言わざるを得ないでしょう。そしてこれがなければ8月30日の段階でダイヤモンドバックスとのゲーム差が4.5あったところを逆転してゴールした今はありえなかったはずです。しかもここ24試合で18勝というハイペースで勝ち続けたわけですから。

そればかりではなく、ドジャースには運もあったと言えます。ここまで83勝をマークしていますが、これは他2地区では2位にもなれない星数なんですね。しかも、ワイルドカードを激しく争っているメッツとブリュワーズがドジャースよりも高い勝率でフィニッシュすることが確定しているという状況にまでなっており、言ってみればここ数年レベルが低いと称され続けているナ・リーグ西地区だったからこそドジャースは救われたという言い方もできるわけです。これもトーレ監督に天が味方したということなのかもしれませんね。

何にしても、ドジャースはこれで1988年以来となるワールドチャンピオン獲得に向けて、本当の意味での第一歩を踏み出せたことになります。昨年のロッキーズと同様10月に戦った経験を持つ選手がほとんどいないというこのチームを、トーレ監督が今度はどう采配していくのかを楽しみたいと思います。

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