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クレメンス対マクナミー、ウソをついているのはどっちだ?

  • 2008/01/10(木) 00:36:23

真実は一体何なのか?このオフ、FA市場が静かに推移している穴埋めとでも言うようにメジャーを揺るがしている薬物使用問題だが、時間と共に沈静化するばかりかいよいよ泥仕合の様相を呈し始めている。その中心にいるのがロジャー・クレメンスだ。

ミッチェル・レポ-トで記載された自分についての記述は嘘だ、と主張を繰り返しているクレメンスは、1月6日にCBSの「60ミニッツ」に出演してベテランの記者を相手に身の潔白を訴えている。ここでは、ヒト成長ホルモンやステロイドの力ではなく、自らのワークアウトで先発投手として働けるコンディションを築いたと語り、返す刀で違反薬物の使用は一切なかったと言い切っている。記者から「そのことを誓えるのか?」と問われたクレメンスは「誓う」と宣言までしている。

明けて7日、記者会見の席についたクレメンスは、ここで自らの主張が正しいことを証明する証拠を明示している。それは1月4日に、ミッチェル・レポートで薬物使用を証言していた元ブルージェイズ、ヤンキースのトレーニングコーチ、ブライアン・マクナミーとかわした電話の内容を録音したテープを流したのである。
この電話は、マクナミーから自分の子供が命にかかわる重病に襲われていること、そしてその子が自分と話したがっていることをメールで知らされたクレメンスが、それに応じてかけたものとされている。
しかしその内容は衝撃的なものだった。

クレメンス(以下ク):子供の容態が悪いと知らされたが、大丈夫なのか?
マクナミー(以下マ):状況はよくない。これは本当だ。それはそうと、君を敵にしたくないんだ。こんなことになるなんて望んでいたわけではないんだ。でも、私は刑務所に入りたくはない。人を交えて君と会い、話がしたい」
ク:こっちは本当のことを明らかにしたいだけだ。今、自分に言われていることを信じることができないんだ。誰か(それを知っている人に)真実を語ってもらいたい」
マ:君は、私と家族のように接してくれた。誰よりもよくしてくれた。君のためなら何でもするよ」
ク:「人々の前で、真実を語って欲しい」
マ:「私には金がほとんどない、そして何もできない。(ミッチェル・リポートでの証言や、それに至る経緯などを綴る)出版契約だって結んでない上、7つのテレビ局から出演依頼を受けたが全て断っている。私は(ミッチェル・リポートについて)正しいと思ったことをやった。それは正しくなかったが、選択なんてできなかったんだ。明日、君のところへ行こうか?話をしよう」
ク:「いや、こっちが言いたいことは」
マ:「私に何をして欲しい言ってくれよ。君はあんなによくしてくれたじゃないか。子供の育て方も教えてくれた」
ク:「言いたいのは、この一件で家族も傷ついているということだ」
マ:「おいロジャー!私に何をして欲しいのかを言ってくれよ!何をして欲しいんだ?」
ク:「マック、私は月曜日(1月7日のこと)に記者会見を開く。そこで・・・」
マ:「私もそこへ行けばいいのか?それでいいのか?」
ク:「とにかく、私がステロイドを使っていたなんてことを、なぜ君が話したのか?ということなんだよ」
マ:「わかる、言いたいことはわかる。何をして欲しい?10歳の子供が死にそうなんだよ」
ク:「何度も言っているように、真実を・・・」
マ:「私に何をして欲しいのかを言ってくれよ!君がそうしろというなら、刑務所だって行くさ!」
ク:「マック、私は本当のことを話してくれる人を求めているんだ」
マ:「私に何をして欲しいのかを言ってくれよ!」

このテープを流す前に、クレメンスの顧問弁護士であるラスティ・ハーディンは「これを聞いてから、判断をして欲しい」と語っているが、その自信を裏付けるように電話の中のマクナミーはうろたえ、ミッチェル・レポートに協力したことを悔いているような印象を与えると同時に、テレビ番組でクレメンスが語った内容こそが正しいと感じさせるものだったのだ。
クレメンスは「(召集を受けている)議会にも行って、真実を話す。知っていることは全て、だ。後はどうやって無実を証明すればいいのか?ということだけだ」と、マクナミーも出席することになっている1月16日に予定されている下院公聴会で、見解を戦わせる覚悟があることも宣言している。

一方、テープの公開で自身の発言ばかりかミッチェル・リポートの信憑性にも著しい打撃を与えたとされるマクナミーも、クレメンスがテレビで語った内容に反論している。クレメンスは摂取したものを「ビタミンB12と痛み止めだった」と説明しているが、マクナミーは「そうしたものを注射する場合、臀部ではなく腕にするのが通例だ」と否定し、ウソ発見器にかけられてもいいとクレメンスが発言したことについても「彼は思い込みが激しい。だから、ウソ発見器だって騙されるかもしれない」とからかっている。
しかし、このコメントを出した段階でマクナミーはまだ電話の録音テープが公開されたことを知らなかった可能性があり、これから16日の公聴会までの間にどのようなスタンスをとるのかは注目したいところである(個人的に、極めて面白いものになる予感がしている)。

クレメンスが出演した「60ミニッツ」は、東時間の午後7時スタートだったこともあって全米での視聴率が15.2%と高いレーティングを残している。これはこの時間帯に放送された番組の中でトップの数字であり、この問題に関する関心の高さが伺える。誰もが彼の残している354個の白星の中に「クロ」があるのかを知りたがっている、というわけである。
今のところクレメンス優位の状況と言え、今季の契約を見送ることを表明しているヤンキースのハンク・スタイブレナー球団副社長も「この国は、人がウソをついているかどうかを判断するタイミングが早すぎる」と追い風になる発言もしている。だが、記者会見の席で「(これほど一生懸命潔白を証明しようとしているのは)殿堂に入る為だからか?」と質問されたクレメンスは「そんなことの為にやっていると思っているのか!」と声を荒げる場面も見せている。どうやらウソ発見器にかけられるとまずいように感じられるのだが、いかがだろうか?

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