スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ボンズ、偽証罪で起訴される。

  • 2007/11/20(火) 10:55:07

おそらく彼は、2003年12月4日のことを後悔するに違いない。そう、自分のトレーナーであるグレグ・アンダーソンから与えられた薬とクリームについて質問されたアメリカ連邦大陪審において、「ステロイドだとは知らずに使用した」と証言したことを、である。

11月15日、メジャーのみならずアメリカ中に衝撃が走った。ジャイアンツから契約延長はしないと伝えられ、追い出されるようにFAとなったバリー・ボンズが、連邦大陪審によって偽証と司法妨害の罪で起訴されたことが明らかになったからである。
ボンズが罪に問われたのは以下の証言についてである。

大陪審「アンダーソンからステロイドを受け取ったか?」
ボンズ「それと知って摂取したことはない」
大陪審「2000年11月の(薬物)検査で2種類(の薬物)に陽性反応が出た、とのバルコ社の書類がある」
ボンズ「その書類は見たこともない」
大陪審「2001年の(バルコ社の)書類にも(Barry Bondsを意味する?)BBのイニシャルがある。この間、ステロイドを受け取ったことは?」
ボンズ「全く無い」
大陪審「ヒト成長ホルモンを受け取ったことは?」
ボンズ「ない」
大陪審「アンダーソンから疲労回復効果がある亜麻油を初めて勧められたのは?」
ボンズ「今年(2003年のこと)までない」

要するに、薬物使用については全てアンダーソンが画策し、ボンズは与えられるまま中身を知らずに服用していた、という姿勢をとったのだ。あれから約4年が過ぎて迎えた2007年11月、司法当局は「ボンズがステロイドを使用したことを示す明らかな証拠がある」とコメントを出し、起訴に至ったというわけである。
ボンズの弁護士であるジョン・バリスは「以前からバリーを捕まえようという動きはあったが、(起訴には)驚いた。どんな新しい証拠があるのか知りたい」と、何を今更という空気を漂わせる発言をしているが、メジャー機構のバド・セリグ・コミッショナーは「起訴を非常に重大なものと受け止めている。我々は根気強く違法な薬物の使用撲滅を続ける」と声明を出し、関係者はボンズの有罪が確定した場合に、セリグがボンズの本塁打記録を取り消す意向を持っていることを示唆している。

偽証の場とされた2003年12月4日の大陪審は、栄養食品会社バルコが禁止薬物を野球を含むいくつかのスポーツの選手に供与したことから起きたドーピングスキャンダルの全容解明の為に実施されたものだった。仮に偽証による有罪が確定した場合、最大で禁固5年が言い渡される可能性があるがアメリカの場合はひと括りで量刑は決まらず、偽証1件につき禁固X年という形がとられる為、偽証の可能性のある4件と司法妨害1件が全て有罪となればトータルで最大禁固30年となることをアメリカの各メディアは伝えている。

ボンズが薬まみれだと言われ始めたのは、最近のことではない。メジャー記録であるシーズン73本塁打を放った2001年の段階で既にそうした話は広く囁かれていたのである。ボンズはメジャーデビューを果たしたパイレーツ時代を、俊足巧打で守備のうまい外野手というスタイルで過ごしている。確かに本塁打が一桁に終わった年はなかったが、40本の大台に届いたのはメジャー8年目の1993年で(46本塁打でナ・リーグ本塁打王となっている)、これはジャイアンツに移って初めて迎えたシーズンだった。そして、ホセ・カンセコだけが持っていた40本塁打、40盗塁の「40-40」を1996年に達成する一方、2回目の本塁打王のタイトルを手中にできないまま2001年を迎えている。
ボンズは、1998年にカージナルスのマーク・マグワイアとカブスのサミー・ソーサによって突如始まった本塁打記録を塗り替えながらのタイトル争いに全米が熱狂した様を見て、これをうらやんだと言われている。彼の薬物使用はここが原点になっていると言われており、事実ボンズの身体は年々大きくなっていったのだ。そして2001年、彼はマグワイアが持っていた記録を上回るシーズン73本塁打を放って全米のファンを興奮させたのである。
しかしボンズにとって誤算だったのは、それまで全くノーケアだった薬物使用を(何といっても、IOCが禁止薬物に指定している筋肉増強剤アンドロステンジオンをメジャーは公認にしていたのだ!)、メジャー機構がオリンピックの基準に合わせる形で禁止する姿勢をとったことだった。その流れはメジャー選手会の反対派が声を挙げる隙さえ与えず薬物検査導入へと進み、今や適用対象はどんどん増える状況となっている。世論やメディアもこうした「クリーンな野球」を求める姿勢を受け入れ、それはあのマグワイアが資格初年度で殿堂入りできないという形でも現れている。彼が現役時代にステロイドを使用していたことが投票を鈍らせた為で、マグワイアは通算500本塁打以上の選手で唯一殿堂入りを逃す存在になるとまで言われている(おそらく、あと5、6年後に今度はソーサが通算600本塁打以上で殿堂不可の「記録」を作るか?が話題になるはずである)。もちろん、以前は普通に使えていたものを後になって取り沙汰された選手たちもかわいそうではあるのだが、使ったかどうかを明言するかどうかは別問題なのだ。
ボンズは偽証に問われるが、当時全く同じ状況に置かれていたヤンキースのジェイソン・ジアンビは現在薬物使用についての批判を受けていない。なぜか。彼は2003年12月11日の大陪審で、「私は少なくとも過去3年シーズンにおいてステロイドを使い、ヒト成長ホルモンを注射した」と告白しているからなのだ。冒頭で「ボンズは後悔しているはずだ」と記したのは、ジアンビのように全てを認めていればここまで追い詰められることはなかったからなのである。これもボンズが犯したもう一つの誤算だったといえるだろう。

何にしても、これでボンズは実質的に現役引退である。メジャー各球団がボンズ獲得に動くことは倫理面も含めてありえないばかりか、今後彼は弁護士との相談で日々を費やすことになるはずだからである。大陪審の自信に満ちたコメントを見るにつけ、ボンズ側は全面対決ではなく検察との司法取引に応じる可能性が高い。つまり有罪を認める代わりに減刑を求める形で決着を見るわけである。この場合、大陪審が抑えた証拠が裁判の場で公開されることはないものと思われるが、ボンズが偽証を認めた段階でこの話はもう終わりなのだ。ボンズは嘘をつき、薬で本塁打を打っていた、これだけで十分なのである。

ボンズ起訴の報を多くのファンや野球関係者は拍手で聞いたものと思われる。しかし、嘆きの声を挙げている人達もいる。それは野球選手のサインボールやカードなどを扱うディーラーやコレクターで、ボンズ関連のグッズが早速値崩れを起こしている現実に頭を痛めているのだ。しかも、メジャー選手会に所属していないボンズのグッズは卸値が高く設定されている為に、売り値が下がると他の選手の場合以上に損失が大きくなるというおまけまでついている。ショップ関係者の中には「アメリカに住む人は皆ボンズが嫌いなんだ」と話している者もいるようである。

9月20日に契約は今季限りと通告したジャイアンツの判断は極めて正しかった。
9月26日に756号本塁打のボールを75万2467ドルで落札したファッションデザイナーのマーク・エコが、このボールに参考記録を意味する「*」をつけて野球殿堂に寄贈することを表明したが、この措置も正しいものとなりそうである。

さらば、バリー・ボンズ。今だからはっきり言わせてもらいたい。

私も、お前が嫌いだ。

スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

【 デザイナー 】について最新のブログの口コミをまとめると

デザイナーに関する最新ブログ、ユーチューブ、ネットショッピングからマッシュアップした口コミ情報を提供しています。

  • From: プレサーチ |
  • 2007/11/20(火) 11:05:32

PON’Sはダブルホワイト、ボンズは偽証と審理妨害のWブラック

A 「しかし、まぁ、バリーボンズってやつは、本当に小物ですね」 B 「小物なわけがないだろ。あれだけ扱いも大きいんだし」 A 「だって、偽証罪ってねぇ……。『もみじ饅頭ッ...

  • From: 2割が、うそログ!? |
  • 2007/11/21(水) 23:56:44

この記事に対するコメント

LAAファンだけど、気になる話です

 はじめまして。凄く上手くまとまっていて、良いコラムですね!
 彼の一番の罪は、ボンズに熱狂したファンたちを裏切ったというよりも、「騙していた」ことだと改めて思いました。今年は、彼を擁護するオル…著名な選手もいたけれど、悪いことは悪い!ときっぱり言えるような環境になって欲しいものです。そのためにも、早く、白黒はっきりして欲しい問題ですね…

  • 投稿者: 森野きのこ
  • 2007/11/22(木) 00:17:45
  • [編集]

森野きのこさん

書き込み、ありがとうございます。閑散としたブログですが、またお越しいただければと思います。

>騙していた」ことだと改めて思いました。

そうなんですよね。ファンが怒っているのは、この部分がものすごく大きいように思います。73本塁打の時にボンズに対して真剣に声援を送っていた人ほど、裏切られたという感情は強くなるのではないでしょうか。

>LAAファンだけど、気になる話です

ハンター獲得で、更に磐石の態勢になりましたね!我がヤンキースも狙っていただけに、悔しい部分はありますが、来季は2回目のワールドチャンプ獲得の可能性ありと見てます、ハイ。

  • 投稿者: baseballmadness
  • 2007/11/25(日) 18:02:11
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。