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虫にファン、ポストシーズンは序盤からハプニング続きである。

  • 2007/10/07(日) 14:44:43

ポストシーズンが開幕し、4つの対戦カードをめぐって全米の野球ファンが一喜一憂する”October madness”は日を追うごとにヒートアップしている。10月5日現在、ナ・リーグはロッキーズとダイヤモンドバックスが、ア・リーグはレッドソックスとインディアンスがそれぞれ連勝するという状況で、このまますんなりいくのか、はたまた逆転3連勝のドラマが待っているのか、ますますもって見逃せないわけである。

さて、ポストシーズンと言えばハプニング。これも、普段をは違う緊張がもたらすものなのか、今年は早くも2つの”珍場面”が演じられている。
まず虫もホームチームの応援をしたのはクリーブランドで行われたインデァンス対ヤンキースのALDS第2戦だった。試合はインディアンスが19勝コンビの一翼カルモナを、ヤンキースはペティートを先発マウンドに送ってスタート、3回にカブレラが先制ソロ本塁打を放つも、以降は両軍投手陣が踏ん張って7回まで1-0で進むという緊迫した状況となっていた。迎えた8回裏、2イニング目の投球に入っていたリトル・クレメンスことジョバ・チェンバレンに、思いも寄らぬ敵が突然出現したのである。
それは数百万匹に及ぶ羽虫で、これがチェンバレンの首や頭にとまった上、前が見えないという凄まじい事態となってしまったのだ。これでリズムを崩したチェンバレンは2つの四球とワイルドピッチで2死1・3塁のピンチを招き、4番のマルティネスに対して投げた2球目のスライダーが大きくそれて三塁走者の生還を許してしまったのである。カルモナに3安打と抑え込まれていたヤンキース打線は以降も沈黙し、結局延長11回裏にハフナーのサヨナラタイムリーを浴びて2連敗を喫して幕となっている。
20071007yanksbugs.jpg

「あれには悩まされた。でも、虫は虫。何とか切り抜けられると思ったけど、流れを変えてしまった」と試合後チェンバレンはガックリと肩を落としながらコメントしているが、明らかに試合の進行を妨害する存在だったこの虫に対して、防虫スプレーの散布だけで試合を続行したブルース・フローミング審判員には批判の声も挙がっている。これについてフローミングは「虫が試合中に出たことは過去にもある。中断は考えていなかった」とだけ語っているが、67歳で今季限りの引退を決めている彼の最後の晴れ舞台が、こういう形で注目されたことは皮肉だったというしかない。
この虫、クリーブランドでは夏に大量発生することで知られているものなのだが、この日は平年より10度も高い気温22度の中でプレイボールがかけられており、どうもこの季節はずれの暖かさが虫の大量発生を促したようなのである。「何もこの日じゃなくてもいいだろが!」というのがヤンキースファンの叫びが聞こえてくるようだ。

一方、ボストンではまたまたファンが試合の流れを変える「ナイスキャッチ」をしている。
この試合は松坂が先発するということで、日本でも注目されていた一戦だったが、その松坂はエンジェルスの待球作戦にハマって2回までに59球も投げさせられる苦しいマウンドで、初回に味方打線が2点をプレゼントしてくれたにも関わらず、松坂は直後の2回表に併殺崩れと連続タイムリー2塁打を浴びて2-3と逆転を許している。
ハプニングが起きたのは5回裏1死1・3塁の場面で、レッドソックスの主砲ラミレスが打ち上げたファールフライが1塁側ベンチ方面にあがり、これをエンジェルスのマシスがミットをスタンドに差し出して捕ろうとしたところを、その直前で少年が打球を両手で掴んでしまったのだ。これで命拾いをしたラミレスは四球で歩き、続くロウウェルが値千金の犠牲フライをセンターに打ち上げてレッドソックスが同点に追いついたのである。試合は、9回裏に救われたラミレスが3ラン本塁打を放ってレッドソックスがサヨナラ勝ちを飾り、エンジェルスにとってファールフライを掴んだのは「悪魔の手」に、レッドソックスには「神の手」になった、というわけなのだ。
20071007angelfalldown.jpg

捕球直後、「よくやった!」と周囲の観客からハイタッチを求められた少年は、17歳のダニー・ビニックくんで、なんとレッドソックスの共同オーナーの一人であるジェフ・ビニックの息子だったのである。親孝行をこんなところで果たしたといったところなのだが、本人は「まだ信じられない。飛んできて手を伸ばしたら捕れちゃった。まだ何が起きたのかよくわかっていない」とコメントしている。

こうした「ファンの手で試合の流れが変わった」事件と言えば、思い出すのはもちろん1996年10月9日に行われたヤンキース対オリオールズのALCS第1戦のことである。3-4と1点をリードされて迎えた8回裏、ヤンキースのジーターが右中間に放ったフライを、当時12歳だったヤンキースファンの少年がグラウンド方向へ身を乗り出して捕球してしまったのだ。オリオールズの監督だったのは元巨人のデーブ・ジョンソンで、同点本塁打と認定されたこのプレイに激しく抗議したが受け入れらず、この試合もヤンキースが延長11回裏に1点を挙げて5-4でサヨナラ勝利を飾っている。勝利を予備よせたファインプレイということで、翌日になってこの少年が「僕がホームランにしたんだよ。オリオールズが好きな人には悪いけど、ヤンキースファンの僕が、チームを助けたんだ」とコメントしたことがニュースとして流れ、ニューヨークはお祭り騒ぎに突入したというおまけもついている。

そして2003年10月14日には、これと正反対の結果をもたらす事件が起きている。これはNLCS第6戦のことで、場所はシカゴのリグレー・フィールドだった。カブスが3-0でリードして迎えた8回表、マーリンズのカスティーヨが打ち上げたレフトへのファールフライを、フェンスから身を乗り出したファンが捕球体勢に入っていたアルーの頭上でキャッチしてしまったのである。本来なら2死2塁になっていたはずが、結局カスティーヨは四球を選んで1死1・2塁となり、ここからカブスには悪夢のシーンが訪れることになる。続くイヴァン・ロドリゲスのタイムリーに始まったマーリンズ打線の爆発は、一挙8得点という「大虐殺」に発展したのである。この勝利で3勝3敗のタイにしたマーリンズは続く第7戦でも3-5からの逆転勝利をマークしてワールドシリーズに進出、新人松井のいるヤンキースを下して2回目のワールドチャンピオンに輝いたわけである。
カブスの勝利をフイにしたファンに対して周囲の観客が次々にゴミを投げつけ、しまいには「殺してやる!」といった罵声まで渦巻くことになった為に、警備員が彼を守る形で誘導し、試合途中で球場を離れている。1945年以来、58年ぶりのワールドシリーズ進出を逃したカブスは、今年ナ・リーグ中地区チャンプとなってポストシーズンを戦っているが、結局10月6日の第3戦も落とし、ダイヤモンドバックスの前に手も足も出ないまま今季を追えている。おそらくまた「あいつがあの時捕ってなければ・・・」という話がシカゴのどこかで繰り返されているに違いない。

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