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エンジェルスにドニー・ムーアの呪い?

  • 2008/10/05(日) 11:02:45

エンジェルスにかかった呪いは、今年も晴れることはないんすかねぇ・・・。

ALDS第2戦、レッドソックス先発の松坂に対して「消極的になるわけにはいかない。しかし、彼と対戦する時は我慢強くなり、球数を多くしなければならない。こちらに有利なカウントとしてから勝負することも大事」と戦前に攻略への自信を覗かせていたエンジェルスのマイク・ソーシア監督だったわけっすが、確かに松坂への白星献上こそ阻止したものの、5-7でレッドソックスの前に屈してしまったんすね。
この試合、エンジェルスは初回に4点を失い、4回終了時点で2-5と劣勢に立たされていたわけっすが、ここからハンターのタイムリー、ナポリの押し出し、テシェイラの犠牲フライと巡ってきたチャンスを手放すことなく同点に追いついたんすね。しかし9回表、守護神にして今季62セーブを挙げてメジャー記録を更新までしたフランシスコ・ロドリゲスが、1死2塁の場面から腰痛に苦しむJ・D・ドリューに決勝2ランホームランを浴びる信じられない展開でこの試合を落としたんすね。
松坂にとって、対戦したアリーグのチームの中で唯一勝ち星のない相手がエンジェルスで、今季3敗を喫した試合の一つは7月28日のこのカードでもあったんすね。この時は待球作戦にまんまとはまり、6回途中までで91球も投げさせられた末に6点を奪われて負けてます。それだけにこの試合はエンジェルスに対する何かを払拭するいいチャンスになるはずだったと言えるんですが、残念な結果になってしまいました。
しかし、この試合はレッドソックスにとっても松坂にとっても興奮を呼び起こす結果になってます。そう、今と同じカードだった去年のALDS第2戦で先発した松坂は4回途中3失点で降板したあの試合の再現になったからなんすな。この時は3-3の同点で迎えた9回に今はドジャースにいるラミレスがやはりフランシスコ・ロドリゲスからサヨナラ3ラン本塁打を放って勝利してます。なので「すごかった。相手投手も同じでボクが不調だったのに(も関らず)、チームには大きな1勝になった」と松坂がコメントした理由もよくわかるわけっす。

これでレッドソックスは昨年のALCS第5戦からポストシーズン9連勝を達成、一方エンジェルスタジアムで連敗を喫したエンジェルスは窮地に立たされることになりました。というのも、過去の地区シリーズで連敗から3連勝したケースはたった5回しかなく、しかもエンジェルスと同じ本拠地連敗から勝ち抜けたのは、なんと2001年のヤンキースしか例がないんすね。今季メジャーで唯一100勝を挙げたエンジェルスがここで消えるのなんてにわかには信じられない話っすけど、しかし彼らにはもう一つ無視できない「呪い」があるんですねぇ、これが・・・。

実はエンジェルス、ことポストシーズンに関してはレッドソックスに11連敗を喫しているんすな。そのきっかけとなった試合があの伝説の一戦だったんすねぇ。
時は1986年に遡ります。当時のメジャーは2リーグ2地区制で、エンジェルスはレンジャースを振り切って西地区を制します。一方の東地区はヤンキースとのデッドヒートを制したレッドソックスで、どちらがワールドシリーズに進んでも盛り上がる展開になるとみられていました。何故なら、エンジェルスにとっては初めての栄光、レッドソックスには「バンビーノの呪い」を今度こそ払拭するチャンス、ということになるからです。
ボストンで始まったシリーズは1勝1敗でアナハイムへ移り、ここでエンジェルスが連勝して一気に王手をかけてしまうんすね。しかも第4戦が延長11回の末のサヨナラ勝ちということで、いい波がエンジェルスに来ていることは誰の目にも明らかだったわけです。
第5戦はレッドソックスが2点を先制したもののエンジェルスが6回に逆転、更には7回にも2点を追加して5-2とリードしたんすね。迎えた9回表、マウンドには先発のボビー・ウィットが立っていましたが、1死からドン・ベイラーに2ラン本塁打を浴び、エヴァンスを三塁フライに打ち取ったところで降板、代わったルーカスがエヴァンスに死球を与えると、エンジェルスベンチはこの年21セーブをマークしたドニー・ムーアをマウンドに送るんすね。あと1アウトで初のワールドシリーズ進出というこの場面で、しかし打席に入った「ミソっ歯」デイヴ・ヘンダーソンの打球はなんとレフトスタンドに吸い込まれる逆転2ランホームラン・・・。その裏、エンジェルスもウィルフォンのタイムリーで同点に追いつきますが、11回表にまたまたディブ・ヘンダーソンがムーアから犠牲フライを打ち上げ、これが決勝点となってエンジェルスは試合を落としてしまいます。
ここから波は完全にレッドソックスへ移ってしまい、ボストンでの6戦、7戦を10-4、8-1で勝利して1975年以来11年ぶりのワールドシリーズ進出を決めるわけです(しかし、メッツと戦った第6戦であんなエラーが待っていようとは・・・)。
千載一遇のチャンスを逃したエンジェルスには、この後更なる悲劇が待っていました。逆転を許し、同点に追いついてもらいながら同じ打者にまたやられてしまったムーアは、翌年から別人のようにパフォーマンスを降下させ、結局1988年のシーズン中に解雇されてしまうんすね。その翌年、ロイヤルズでメジャー復帰を狙うもののそれも果たせなかった彼は、なんと自分の家族に3発の銃弾を発砲し、最後には自分自身に銃口を向けて自殺してしまうんですね。もちろん、元々彼には精神的に不安定な部分があったのかもしれませんが、ヘンダーソンに浴びた本塁打が彼の人生の何かを変えたことは確かだったし、あの一撃であらゆるものを失ったエンジェルスにとっても、この事件は暗い影を落とすようになったんですな。

あの凄まじくも残酷だった試合から22年、エンジェルスは2002年にワールドチャンピオンに輝いた上、強さで売るチームとしてア・リーグ西地区に君臨し今に至っていますが、カリフォルニア・エンジェルス時代の負の遺産、すなわち10月にはレッドソックスに勝てないというジンクスは今もひっそりと息づいている?というわけなんですね。メジャー記録となった「同一チームにポストシーズンで11連敗」を更新して終わることだけは避けたいでしょうが、果たして・・・?

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レイズ、怒涛の2連勝!

  • 2008/10/05(日) 11:01:06

「オレら、リラックスした仲間なのさ。クラブハウスでも緊張とは無縁だし、とにかく楽しんでるのさ、だからこうして今があるんだよ」
8回裏にタイムリーヒットを放ってチームに5点目をプレゼントし、更にはナヴァーロの二塁打で6点目のホームを踏んだロッコ・バルデリのこの言葉に、今のレイズがいかに乗っているかがはっきりと表れているように思えます。
創設11年目で初のプレイオフ進出、それだけでもここまでのレイズを知る人にとっては信じられない現実っすが、そんな彼らがホワイトソックスとのALDS第2戦も6-2で勝利しシリーズに王手をかけたとなれば、もはや実力を正当に評価しなきゃいけない事態になっていると言えるんじゃないすかねぇ。しかもこの試合の勝ち方が、実に今年のレイズらしいものだったわけっすから。

レイズはこの試合にエースのスコット・カズミールをマウンドに送っています。しかし彼の投球は初回から大荒れで四死球とヒットでいきなり無死満塁の大ピンチを迎えると、4番のコナーコこそ内野フライにしとめますが、続くジム・トーメにあっさりライト前へ運ばれて先制点を許し、更にはラミレスにも犠牲フライを打ち上げられて立ち上がり早々2点を失ってしまったんすな。
しかし、若いレイズベンチの中でもローテ投手最年少の24歳であるカズミールに対して、マドン監督は「辛抱するんだ、私が考えていたのはそれだったんだ。我々には彼があの場面を切り抜けてくれることがとにかく重要だったんだ。もし彼が乗り切ってくれるなら、きっと落ち着いてくれると思ってたからね」というスタンスをとります。これが第1戦を勝利した余裕であると共に、カズミールに目処が立たなければ今後のレイズは立ち行かないという彼への信頼の成せる業だったと見る事もできるのではないっすかねぇ。

試合は2回にヒットとエラーで迎えた1死2塁の場面でナヴァーロがライト前にタイムリーを打ち返してレイズが1点差に追い上げると、5回には1死からレフト前ヒットで出塁したバートレットを1塁に置いて打席に入った岩村が、なんとレフトスタンドに打球を運んで逆転に成功します。
一方、マドン監督の期待に応えたカズミールが合計8安打を許しながらも初回の失点のみで6回1死に降板、ブルペン陣がホワイトソックスの攻撃を凌ぎながら迎えた8回裏にはクロフォード、バルデリ、ナヴァーロがタイムリーを放って3点をゲット、実にレイズらしい「機関銃による集中砲火」で勝負を決めたんすね。

7回からの2イニングを1安打無失点で切り抜けたJ・P・パウエルは「オレ達が戦っている相手はシカゴ・ホワイトソックス。経験豊かなベテランのチームなんだ。復活できるし、その気にさせれば3連勝だって簡単にしてしまう。オレたちはこれまでやってきたように、突き進まなきゃいけない」と早くも2ホールド目を挙げた好投の後に、気を引き締めるコメントを出しています。若い選手が好調の波に乗っていると、(近鉄の加藤のように)ポカを犯すこともありそうっすが、そのあたりもきっちりコントロールできているという感じっすね。隙がないっす。
一方、ホワイトソックスのギーエン監督は「壁にぶちあたったな。キャットファイトしなきゃならんわ。いよいよ次は勝たなきゃいかん試合だからな」と毎度の強気発言を見せてますが、打線がレイズと同じ12安打を放った上、ジャーメイン・ダイが4安打をマークしたというのに2回以降0点に抑えられた内容にはショックを感じてるのではないでしょうかね。しかもそのダイが終盤の7回、9回にヒットで出塁した時には共に先頭打者だったというめぐり合わせの悪さもありましたから・・・。

それにしても、2試合連続の打点に加え、打率を.375とした岩村の活躍は大したもんですな。今季は非常にスリムなイメージで、マドン監督が求める「1番打者だからフライは無用」という注文を忠実に守ろうとしている姿は、ヤクルトファンのおいらから彼が神宮で3番を打っていた時代を消していく悲しさもあるんすけど、ここまでの彼にはとにかくグッドジョブ!と声をかけてあげたいところっす。それだけに彼自身が「行ったなぁ、ってわかってた」と振り返った逆転の一打は、ヤクルトのユニを着た彼を思い返す一撃で嬉しかったりします。

しかしレイズ、強いわ!

ヤンキースのキャッシュマンGM、井川は失敗だったと語る

  • 2008/10/05(日) 11:00:04

ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが就任後初めて訪れた「試合のない10月」を迎え、珍しく自らの仕事ぶりを反省するコメントを出してます。まぁ、彼の評価も1998年からのワールドシリーズ3連覇を頂点に、ここ数年は単なる拝金主義者というものに変わり果て、今やヤンキースはつぎはぎだらけのオジサン集団と化してしまっているわけで、いつ切られてもおかしくない状況とも言われていますから、仕切り直しの意味でもネガティブな物言いは必要だったのかもしれないんすけどね。

キャッシュマンGMは2006年12月にポスティングシステムを経由して獲得した井川について「失敗だった」と語りました。一応「彼は3Aでなら存在感を示す投手だ」とフォローは入れてますけど、それが5年間、年俸総額2000万ドルの価値を裏付けるものではないことなど明白なわけっすね。しかもこれとは別に阪神へ支払った2600万ドルもあるわけで、昨年ロジャー・クレメンスに支払った約1800万ドルと並ぶ救いようのない悪しき選択の象徴と言える獲得劇と批判されている点を自ら認めていることを明かしたんすね。井川はここまでメジャーでは16試合に登板し2勝4敗、防御率6.66という悲惨な数字しか残せていません。左投手有利と言われたヤンキースタジアムを本拠地にしていたのにこの有様では、確かにキャッシュマンGMもこう述べるしか手段がないとは言えるんすけどねぇ。
続けて彼は「日本人投手のスカウティングは難しい。ビデオを使ってはいるが、もっと目が必要だ」として、決定に至るまでのプロレスを見直す必要があることも明かしています。このコメントを岡島の獲得でまた評価を高めたレッドソックスのエプスタインGMや、無難な選択で斉藤の活躍を生んだドジャースのコレッティGMが聞いたら腹を抱えて笑うんじゃないかと思いますが、合わせてキャッシュマンGMが非常に淡白な情報収集しかしていなかったこともはっきりしたわけで、彼がヤンキースGMとして適正な資質を本当にもっているのか?という疑問も浮き彫りになったんじゃないかと思うんすね。
取りあえず今後の展開としてスカウティングスタッフを日本に置く期間を延ばすなどの措置をとることを決めているそうなんすが、少なくとも伊良部との契約とその後の放出劇から何も学ばないままここまで来てしまっていたと言えるのではないのかなぁ、と感じます。現在は一線を退いているジョージ・スタインブレナーが、ポスティングシステムで桁が1つ低い額で入札を行いマリナーズへ持っていかれ、結局新人王になったイチローの活躍を見てキャッシュマンGMに激怒した気持ちが、今になってよくわかるような気もしますしね。

その一方で「ワールドチャンピオンを経験しないまま去る選手もいるだろう」と話し、遮二無二かき集めてきた選手達との契約延長について厳しい態度で臨むことも明かしています。このオフにはジェイソン・ジアンビ、ボビー・アブリューマイク・ムシーナ、アンディ・ペティートがFAとなるわけですが、高齢化が更に進む中でどうチーム構成を変えていくかが下り坂のヤンキースにとっては今後数年の動きを決める極めて重要な選択になることは確実で、単なる入れ替えだけではない超長期的な視野を持った動きができるかどうかには注目したいところなんすね。しかし、現時点で(クスリの使用と共に)神通力が消えたジアンビとアブリューについては契約延長を考えていることを示唆しているあたり、本当に大丈夫なの?という感は否めないんすね。その為、焦点となっている「ジアンビが去った後の一塁をどうするか?」という命題についてもキャッシュマンGMは「一塁はこれから練習する選手より、既に一塁手である選手を置きたい」と語り、ジアンビとの再契約を考えていることを裏付けてもいるわけです。これによって噂されている松井やジョニー・デーモンのコンバートは考えていないこともはっきりしたことになりますが、来年が契約最終年となる松井にとってこの発言が持つ意味は非常に重いと言えるんじゃないかと思います。外野のポジション獲りを焦ってまた膝を故障でもすれば、もう引退しか手がなくなりそうですもんねぇ。

何にしても、井川は残り3年を飼い殺されて終わることは濃厚なようっす。このオフの目玉と言われているブリュワーズのC・C・サバチアがやってくれば、トドメのトドメを刺されたってことになるでしょうなぁ。

貧打ドジャースが西地区を制す!

  • 2008/09/27(土) 20:00:21

打撃戦の末パドレスに5-7で敗れたものの、デーゲームで行われた対カージナルス戦にダイヤモンドバックスが3-12で敗れていた為、ドジャースはリーグ最低勝率でとは言えナ・リーグ西地区優勝を9月25日に決めたんですね。
左ひざの故障でプレイオフの出場が微妙な状況となっている今年40歳を迎えたジェフ・ケントは、2004年以来4年ぶりとなる地区制覇について「優勝が決まったのを見るに、やっぱりこれは特別なものなんだな、と。うちの若い連中は皆楽しんでいるよ。だって、ほとんどのヤツらにとって、初めて成し遂げたものなんだからね。そして勝利の味を噛み締めることがヤツらの経験に加わると同時に、勝つ為に何が必要なのかを示すことにもなるんだ」と話しています。まるで生徒の姿を目を細めて見る先生のようなこのケントのコメントこそ、今年のドジャースを象徴する空気だと言えるでしょう。
ケントは続けて「トーレ監督をはじめ誰の評判も落としたくは無いんだ。だけどこう言いたいんだよ、この勝利はチーム全員で成し遂げたものだ、って。トーレ監督の決定があって、若い連中、例えばシーズン初めに戦列を離れたノマー・ガルシアパーラの仕事をブレイク・デウィットが、シーズン終盤に故障したオレに代わってやっぱり若いヤツが、斉藤が投げられなくなればジョナサン・ブロクストンがそれぞれ引き継いで、トレードでケーシー・ブレイクとマニー・ラミレスがやってきて、チームにまた一つ前進する力を与えてくれて」と話していますが、これが今季のドジャースの全てを物語っています。故障者が出ても誰かがその穴を埋め大崩れを回避できた、ここがとにかく重要なポイントだったんですね。
しかし、話はそれだけでは終わりません。若手ばかりとなったチームを辛抱強くまとめあげていったトーレ監督の手腕がなければ、この結果は得られなかったわけですから。
そのトーレ監督も「我々は、このチームの誰がこれからプレイするのかはわかっていない。しかし、我々でプレイすることはわかっている。我々には自分達を縛る過去がないというアドバンテージがある。我々でポストシーズンを戦うことを皆がわかっている、これが最も重要なことなんだ」と全員で戦って地区優勝を果たし、これからもそのスタンスを崩さないことを明言しています。1996年の就任から昨年まで、実に12年にも渡ってヤンキースをポストシーズンに導き、そのうち4回もワールドチャンピオンを獲得した名将は、その実績をよく理解しているはずのヤンキースから1年契約での延長を提示されるという屈辱から、ピンストライプのユニフォームを脱ぐ決心をしたわけですが、コメントにあえて「過去がない」という一言を加えたあたりからも古巣を見返すことができたという心境がうかがえます。

トーレ監督は2年に渡ってチームを率いたグレイディ・リトルの後を受け、3年間、年俸総額1300万ドルという契約でドジャースへとやってきました。その最初のシーズンを振り返って「ニューヨークでは甘えていた。ここでは、若手に基礎を教えなければならなかった」と語っていますが、これは他球団からFAでやってきた中堅からベテランの選手ばかりの陣容だったヤンキースでは、選手個々が実力を発揮してくれれば結果はついてくる、という気持ちがあったことを暗に示しています。そこでの彼の仕事は、とどのつまりオーダーの決定と試合での采配に限られ、選手に対して手取り足取り教える必要がなかったばかりか、金も出すが口も出すスタインブレナー親子からの辛らつな言葉に耐えるというこのチームだからこその仕事の方が大きかったとも言えるでしょう。もちろんドジャースもラファエル・ファーカルやジェフ・ケント、アンドルー・ジョーンズといった移籍組がメインを張ってはいましたが、結局故障や不調から若手を起用せざるを得なくなり、それはすなわちシーズン中にチームを1から作り変えなければならなかったことを意味していたわけです。トーレ監督が人格者であることは松井も認めるところですが、それだけでは経験のない選手達を戦える集団にすることはできず、彼は打開策としてチームが一丸となることをベンチで呼びかけ続けることを選択するんですね。
それは、トレード期限の7月31日にレッドソックスからやってきたマニー・ラミレスに対しても同じでした。ラミレスは当代メジャーを代表するスラッガーですが、その一方で変わり者、気分屋、わがままという側面もあり、しかもシーズン中の移籍も西海岸を本拠地にすることも初めてだったという要素がどう作用するかがポイントと見られていたんですね。しかしトーレ監督は、そのラミレスでさえも叱り飛ばしてチームから浮くような所業を許さなかったわけです。これがラミレスの「移籍した時に考えていたのは、(プレイオフに出場することではなく)チームに溶け込むことだけだった。オレがハードなプレイをできる男だってことを見せてやろうってね。そうさ、襟を正すってヤツだったんだ」というコメントの源泉になり、そして誰であろうと特別視しないトーレ監督の姿勢を見て、他の選手達は更に結束を強めたわけですね。これはなかなかできない仕事だと言えます。

とにかく7月末までのドジャース打線は貧打という言葉を象徴するような状況でした。現時点でもチーム本塁打のトップはアンドレ・イーシアーの20本で、これにマット・ケンプの18本が続くという状況です。打点に至ってはジェームス・ロニーの89が最高で、どうやら100打点プレイヤーは出そうにない雰囲気になっています。この全くもって長打が期待できないラインナップの中で、ラミレスは狂い咲きとも言える活躍を見せます。たった51試合の出場でチーム3位となる17本塁打を放ち、試合数を超える53打点をマーク、打率に至っては.393というとんでもない数字を残してしまい、故障から復帰した斉藤に「たった一人の打者でチームが変わることもあるんだと衝撃を受けた。野球に対する考え方が変わった」とまで言わしめたわけです。もちろんここには今季で契約が切れる彼が、オフにFAとなった時によりよい条件で契約先を見つけたいという打算的な側面がハッスルにつながったという見方もできます。が、黙っていても自分の評価が1500万ドルは下らないであろうということから「改めてエンジンを回す必要ある?」的思考になってもおかしくない空気の中でここまで好調を維持できた背景には、やはりトーレ監督が彼をうまく操縦したという点があったと言わざるを得ないでしょう。そしてこれがなければ8月30日の段階でダイヤモンドバックスとのゲーム差が4.5あったところを逆転してゴールした今はありえなかったはずです。しかもここ24試合で18勝というハイペースで勝ち続けたわけですから。

そればかりではなく、ドジャースには運もあったと言えます。ここまで83勝をマークしていますが、これは他2地区では2位にもなれない星数なんですね。しかも、ワイルドカードを激しく争っているメッツとブリュワーズがドジャースよりも高い勝率でフィニッシュすることが確定しているという状況にまでなっており、言ってみればここ数年レベルが低いと称され続けているナ・リーグ西地区だったからこそドジャースは救われたという言い方もできるわけです。これもトーレ監督に天が味方したということなのかもしれませんね。

何にしても、ドジャースはこれで1988年以来となるワールドチャンピオン獲得に向けて、本当の意味での第一歩を踏み出せたことになります。昨年のロッキーズと同様10月に戦った経験を持つ選手がほとんどいないというこのチームを、トーレ監督が今度はどう采配していくのかを楽しみたいと思います。

ラミレス、ドジャースへ。

  • 2008/08/02(土) 15:17:36

7月31日はメジャーのトレード期限、というわけで毎年選手やファンにとって悲喜こもごものドラマが起きるわけっすが、今年はマニー・ラミレスがその主役になりました、というわけっすね。

ラミレスはインディアンスからFAになった2000年のオフに8年間、年俸総額1億6000万ドルでレッドソックスと契約し、ご存知のように2003年と昨年のワールドチャンプ獲得に貢献したクラッチ・ヒッターなんすが、その契約が今年で切れるということで、トレードなのか、それともオフまで不動でいくのかはレッドソックスファンならずとも注目していたポイントだったんすが、結局レッドソックスは年俸2000万ドルで2年間契約延長できるオプションを行使せず、ラミレスを放出する選択をしたんですな。

ラミレスは1972年5月30日生まれで現在36歳、インディアンズ時代の小僧っぷりを知ってるおいらとしては、もう彼が完全なベテランの領域にあることにも驚きを隠せないっすが、とにかくここまでの16年間で打率.312、510本塁打、1672打点をマーク、1999年には165打点で、また2002年には打率.349でそれぞれタイトルを獲得、オールスターにも1995年、そして1998年から今年まで連続で選出されている実力、人気共に超一流の選手としてメジャーに君臨しているんすね。実績的には何も問題なく、その上バリー・ボンズのように薬物使用禍に巻き込まれることもなかったというあたりも勘案すると、どこの球団も欲しいと考えるのは当たり前で、今回も決定するまでいくつもの噂が現れては消えていったんですな。

当初、移籍の最右翼とされていたのはイチロー率いる?マリナースで、パイレーツを加えた三角トレードを敢行するというニュースがほぼ確実という匂いと共に流れてました。ところが、トレード期限となっている7月31日午後4時の1時間前の段階で交渉が決裂、ここからドジャースが猛然とアタックを開始した結果コレッティGM曰く「成立したのは期限ぴったりの午後4時だった」という超駆け込みで大物獲得に成功したというわけだったんす。

このトレードによる選手の移動は以下の通りとなってます。

マニー・ラミレス:レッドソックス→ドジャース
ジェイソン・ベイ:パイレーツ→レッドソックス
アンディ・ラローシュ、ブライアン・モリス:ドジャース→パイレーツ
ブランドン・モス、クレイグ・ハンセン:レッドソックス→パイレ-ツ

ってことで、レッドソックス的にはラミレスより7つ下で5年連続20本塁打以上を放っているベイを獲得したことで戦力の極端な低下を回避でき、不振の続くパイレーツはベイのスター性を捨ててでも高額な年俸支払いによる損失を抑えた、という見方ができる形になってます。それにドジャースから獲得したブランドン・モリスは2006年ドラフトで1巡目に指名された選手っすから、2、3年後に楽しみも残してますぜ、ってところなんすね。

ドジャースがラミレス獲得を明らかにしたのはWBC第2回大会の開催日程が発表される会場でのことでした。この式典の最中部屋を出たり入ったりと落ち着きのない様子を見せていたマッコート・オーナーがこの件を口にすると取材陣が色めき立ったそうす。現在ダイヤモンドバックスと地区首位をかけて戦っているドジャースは1-2で競り負けて勝率を5割に戻しただけでなくゲーム差も2と広げられてしまった為、トーレ監督の言った「彼のような選手に興味をもたないチームなど存在しない。トレードで獲得できて驚いている。これで打撃は強くなる」というコメントに、真実味を与えることとなったんですねぇ。

確かに、今季のドジャース打線はひどい有様で、ブレーブスから移籍のアンドルー・ジョーンズに核としての活躍を期待していたら、4月5日に打率.167となって以降、途中故障で約1ヶ月欠場していたとは言え一度も2割に届かないままになっているという体たらく。チームの打率トップは黒田の女房役であるラッセル・マーティンの.297(リーグトップはチッパー・ジョーンズの打率.369)、本塁打を見れば12本のマット・ケンプ(リーグトップはアダム・ダンの32本)、打点はジェームス・ロニーの60(リーグトップはライアン・ハワードの95)がそれぞれトップ、もう目を覆うような惨状なんすね。これでよくぞ地区2位に踏みとどまっているという感じっす。そこにラミレス加入っすから、期待するなという方が無理な話なんすよね。

しかし、その為にドジャースは非常に危険な賭けに出たんすな。レッドソックスが捨てた球団オプションを、ドジャースも行使しないことをこのトレードで決めてるんすね。つまり、この後行われるであろう契約延長交渉がうまくいかなければ、ラミレスはこのオフFAになってしまうんすな。おそらく、これがあったからこそラミレス側はトレードを了解したはずで、ここから先のラミレスの活躍によっては次の契約もとんでもないものになるかもしれないんすねぇ。だもんで、ドジャースとしてみれば若手選手4人も失った上にラミレスにも去られるという最悪のシナリオが常に見え隠れしている状態になっているわけっす。
しかもラミレスはドレッド・ロング・ヘアにルーズソックスばりにユニフォームの裾を長くとっているなど、その風貌からもわかる通りの個性派で、選手を束縛しないスタンスをとるレッドソックスならばまだ許される範囲の立ち振る舞いだったとは言え、それがのんびりした雰囲気のドジャースのカラーに合うかと言えばこれはもう不明としか言いようがないんすね。スター選手を執拗に追いかけるボストンのマスコミとの間にあった軋轢は有名で、それを理由にトレード希望を口にしたこともあるラミレスは、その一方で味方投手が交代するインターバルの間に外野の守備位置から携帯電話で電話していたこともあるという、素行不良という側面も持っていますよ、と。それだけに、果たしてこのトレードがドジャースの躍進につながると見るよりは、空中分解を引き起こすきっかけになりやしないかという心配の方が先に感じられたりするんすよねぇ。

どうなりますことやら、ですな。


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